視差方式

 

 

ここから先はおまけコーナー。TDRでは使われない方式を解説しています。

まず、最近新しくできたのが視差方式。これは偏光フィルターの発想を逆にしたものです。
この特徴はなんと言っても特殊メガネが要らないこと
裸眼、つまり何もつけない状態で立体映像を見ることができる、驚異の技術なのです。

この方式ではまずスクリーンと視聴者の距離を計算します。
そこから視聴者の右目が見る範囲、左目が見る範囲を導き出すことができます。

右目でしか見ていない部分、左目でしか見ていない部分があるのがわかると思います。
そこで、右目しか見ていない範囲に右目用の、左目しか見ていない範囲に左目用の映像を投射すれば、立体映像を作ることができますね。

じゃその映像をある方向にだけ投射するのってどうやるの?っていうと。
ディスプレーの前にスリットのようなものを置けばよいのです。
ブラインドカーテンのようなものを想像してください。

ある方向に向かう光だけを通すことができますね。
鏡で光を反射させるように光の進む向きを変えることもできるかと思います。
実際にはこれだけで立体映像の出来上がりです。
この方法に組み合わせ、フィルタにカラーレンズをプラスすることで、さらに分解を正確に行う方式もあるそうです。

この映像の前に赤いフィルタを置けば、右目用青画像しか見えなくなりますね。
実際にはRGBの三原色に分割するようです。

ですがこれだけでは少し動いただけで、立体映像ではなくなってしまうことがわかるかと思います。
そのため画面を非常に細かく分割し、様々な場所にいる人の視界範囲を想定し、何方向にも映像を投射する技術も現在開発されています。

みなぎは一度この方式の立体映像を見ましたが、相当立体感があるのに驚きました。
ただ、まだ多少ブレ感があるかな。
偏光フィルター方式ほど綺麗に左右用の映像を分けることはまだ難しいようです。
また、大人数で見る場合には左右の視界範囲を計算することが難しくなるでしょう。
理論上では画面を何分割もして様々な方向に光を投射できるはずです。
実際行うとしたら明るさや解像度などの点で問題が出てくるかと思います。
また、ディスプレーの前にフィルターを置かなければならないということは、プロジェクター(投影機)が使えないものと思われます。 スクリーンに光を反射させてみるのではなく、巨大ディスプレーを用意するか、スクリーンの裏側から投影する方式をとる必要があるでしょう。
この辺も現実問題として考えると、設備面はかなり厳しいものがありそうです。

まだ色々解決すべき課題の多い方式ですが、将来性はありそうです。
いつかこの方式を利用したアトラクションができたら、大人気間違い無しですよね。

 

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