偏光の作り方

 


へんこう [偏光]
一定の方向にだけ振動する光.(三省堂Web Dictionaryより)

と、言うわけで。
『偏光板の偏光ってなによ?』という疑問にお答えすべく、偏光の作り方を大雑把に解説します。

物体は自ら発光するか何かの光を反射することで、光を乱反射しています。
その光が目に入ることで、人は物体がそこにあることを見ることができます。
実際には物質は様々な角度の光を発していますが、今回は単純化するために地面に平行な向きのみを考えることにします。

そして光と言うのは実は図のように波打って進んでいます。
この波の幅があまりにも小さいので、まっすぐ進んでいるように見えるだけなのです。
進行方向に向かって様々な向きに波打って光は進んでいます。
ここでも単純化のため、地面に垂直な波(A)と、水平な波(B)のみを考えます。

偏光板を地面に対し垂直に置いた図です。
地面に水平な波は分子の隙間を通り抜けることができます。
しかし地面に垂直な波は波幅が大きすぎて、隙間を通ることができません。

偏光板を90°回転させた図です。
今度は逆に、垂直の波は通れても、水平な波は通る事ができません。

さて、ここで光の単純化をやめて考えて見ましょう。
様々な方向に向けて様々な向きの波を持つ光は、この隙間を通り抜けることはできるでしょうか?
光の波幅は、並行板の分子の隙間よりも大きいのです。
通り抜けることはとても無理ですね。

つまり、偏光板とは様々な向きの光から、ある特定の向きを持つ光のみを通すためのフィルターなのです。
そしてそうして作られた、『特定の向きを持つ光』こそが偏光の正体なのです。

 

 

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ここから先はオトナの話。

みなぎは大学(化学系)で偏光板について、上記の説明を受けました。
が、実際にはことはそう単純ではありません。
間違ってはいないけれど本当でもない。
同じ問題について、小学生と中学生が違う答えを教わるようなものです。
ぶっちゃけて言うと、目的の光と直交してない波は、少しだけ通すんだよ、ってことです。
偏光について正確な話をしようとすると、ベクトル分解を避けて通ることはできません。
そしてみなぎはこのベクトル分解がひっじょーーーーに!苦手です。
自分で理解するのもきついのに、人に説明なんかできません。
ついでに偏光ってのはまっすぐな光だけとは限りません。
たまにぐるぐるらせん状に回転しちゃったりもします。もう理解不能気味です。

まぁ実際四年生理系大学でこう教えているのだから、一般的な知識としてはこの程度知っていれば特に問題はないかと思います。
詳しく知りたい方は、『偏光板・複屈折・ベクトル』あたりを調べてみてください。
ものすごく難しいです(-_-;)